永井百合子が提案する・・・遊びや茶事の愉しみ


by kuyugengen

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伊豆山にて


今月は、金沢から帰り直ぐ、熱海へ茶会の報告に行きました。今は亡き彼女のお宅は伊豆山の高台にあってMOA美術館の周辺です。久しぶりにお邪魔したお宅は、すっきりと片付いてご主人の一人住まいには、やはり空間も広く感じられた。朱塗りの現代仏壇の中心に古い阿弥陀佛・散骨された後の僅かな亡骸は、古九谷の小品の器に納めてある。それは思いもよらぬ対面でした。自身の余命を知り、彼女は思い残すことなく真剣に行動されたようです。そしてご主人に自分がして欲しいことを伝え亡骸を水葬とされた。「どのあたりですか?」と尋ねると「熱海の海の綺麗な所です。船頭が連れて行ってくれました。」自分の心の整理がつくまで癌であることを、主人にも知らせなかった気丈な性格、
しかし生活していれば自然隠せなくなる。金沢の茶事にもご主人は、幾度も同伴されたそうです。最後は、同席もなさっていました。京都も大好きで、「寺院・美術館など、二人でよく行きました。」とお話された「着物と帯の組み合わせなども相談に乗りました。」と笑みを浮かべてお話になる。

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彼女は、京都、相国寺の普賢菩薩が好きで信仰なさり、よくお出かけになったそうです。この菩薩さまは、お姿も柔和で優しく辰年の守り本尊でもあり、女性の信仰も多く美しいことで有名です。ゆっくりとたくさんお話した中、感じたことは、感性や物の考え方に共通点も多く、お二人は兄妹のようなご夫婦であったように見受けられる。しかし一つの心残りは90幾才の母を置いて先に行く哀れを悔やまれたようです。しかし初回の偲びくさの茶事アルバムを東京のお母さまに届けられ見てくださると、「幸せでしたね」と喜んで戴けたそうです。私自身空虚であった気持ちの霧も少し晴れたように感じられましたご夫妻と知り合いもう25年の年月が経つ。多くの出会いもある中、不思議な“えにし”心の宝物を頂戴したように感じられました。
by kuyugengen | 2012-06-23 07:39 | よもやま雑宝帳 | Comments(0)

加齢現象との対面


最近、物忘れが頻繁になり真剣に悩んでいます。今まで平気でこなせていた仕事も時間がかかる。疲れているとそれは一層強く感じる。知能の老化現象の一つなのか?今まであまり意識しない経験でした。今、なにをしょうとしていたかのか思い出せない!買い物をしても置き忘れる。昨日、お見舞いを送った方の住所と名前を間違え届いた方から「また私の方からお渡します」とお知らせをもらい電話は切れた。年を取ると皆、加齢は進み物忘れの頻度は多くなるようです。ちょっと昔は「聖徳たいこ」だねぇ!なんておだてられた時もあった。しかし今は人ごとではなくなりました

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しかしこうしてパソコンで文章を書いているだけでも、脳は衰退・手書きの文字を忘れる。使わない脳は、「待ってくれぇ」と叫んでも消去・削除の連続物語。しかしこれで文章を書かなくなればそれもできなくなるであろう!下手でも書いていくことにしょう。日常事では、目の前にいる人の名前が出てこなくなる日もありその時は赤面の至り。このように物忘れをするような健忘症の症状があらわれると私達の年齢であれば、「認知症」ではないかと心配する方も多いと思う。一般的に病的でなければ「健忘症」であると思う。もっと不可解なことは、「認知症」のテスト内容、私は性に合わず「レッドカード」です。あの項目で何が判断できるのだろう!
by kuyugengen | 2012-06-20 14:28 | よもやま雑宝帳 | Comments(0)
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13日に定期健診に行きました。まず結果は横ばいです。これは良いことであると思う。今日は尿素窒素とクレアチニンの話を書いてみようと思います。何故かというと、この2つは、努力はするもののスムーズに消え去らないデータなので、今回腎内科のDRに少しお話を伺いました。
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ネフローゼで腎臓の濾過機能が十分に働いていないと、これらの老廃物が血液中に残ってしまいます。血液検査をして残り具合を調べれば、腎臓が適切に機能しているか判定できるわけです。腎臓の主な働きは、アンモニアなど「体の中の老廃物を排泄し、体内の成分を一定に保つことにあるようです。」
もしも腎臓の機能が悪化して老廃物を排泄する能力が低下すれば、尿素が体の中に残るので血液中にある尿素窒素を測定検査することで「尿素窒素」と「クレアチニン」の関係が=になるらしい!この関係は重要なことのようです。尿素窒素は、体内でたんぱく質が使われた後の燃えかすです。過剰に摂取したアミノ酸は腎臓で尿素に変えられて排泄される。正常値は7~18mg/dlです。
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「クレアチニン=尿素窒素」の関係は、二人三脚のようなものです。腎臓は年齢と共に低下する臓器なので、少しダメージがあっても、現在の値を維持して保つことが、私の課題であると思った。
by kuyugengen | 2012-06-14 17:13 | 与えられた一病の楽しみ方 | Comments(0)

お見送りの茶事


6月10日(日)無事に供養の茶事を終えることができました。少し時代のある大振りの銅製花入を用いて、花は、利休草・春咲き秋明菊(白)を添えてみました。今回、同じ花入を使うことで、花の姿の面白さを愉しむことができました。会記の記述には、”円窓”の字をあててみました。

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5月6月と4回に渡り亡き茶友をお見送りする茶事を行いました。最初は、こみ上げる悲しみを抑えることもできませんでしたが、今回の茶事を通して気持ちも楽になり私自身不思議な感覚を体感しました。同席いただいた方々にも「たのしかった!」と喜びの手紙を戴き、この茶会の成功を実感しました。

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故東大寺 清水公照館長と杉本健吉氏の画賛 「素山万丈」は、極楽の世界を表現しています。


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笹の葉鮨を水引で輪結びにして、これからのご縁を繋ぎました。蒪菜は、万葉の言葉で「ぬなわ}(池に浮かぶ葉っぱ)の意があるようです。日本一繊細といわれている六甲産、喉越もなめらかで、山葵酢の味で饗しました。今回の焼物鉢は、たっぷりとした「数珠箱」の形を陶器で表現した信楽は沖康史氏の作品。すずきを胡椒塩で焼き、濃厚な蓼酢と共に初夏の味を堪能しました。

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           「偲び草」と銘した"きんとん”は「吉はし製」散華盆を使ってみました。

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本席は、太鼓を転用した風炉を使い息を抜いた設えです。また茶器の緒は熨斗結びをしたことで、改まった雰囲気となりました。今回、蹲の周辺は、敷き松葉から花結界に変り「ふとい」の緑が効果的に目に映りました。

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薄茶席の軸は、官休庵家元の筆による「山水在清音」勢いある一行を使わせてもらいました。軸の風情も壁床に栄えて梅雨のつかの間の晴天を喜びました。
by kuyugengen | 2012-06-10 07:47 | 茶事 | Comments(0)

酒器の愉しみ


世の中に酒を愛する人は多い 茶事懐石での一献は、唯一心も通い合い席中の雰囲気を和ませるものです。しかし近年、ご夫人中心の集まりになり、ほんの「したみ酒」程度の方も多く、マナー程度でも楽しく杯が回るよう毎回気配りをしています。懐石道具を並べていると手近な棚に酒器たちの箱が積んである。今日は、天気も良く気分も爽快だったので、写真を撮ってみようと並べてみた。

d0133199_12273962.jpg入れ子になっているこの「ぐんのみ」は、唐津の土平さんの作品、少し若い頃はマイ杯として持ち歩いたものです。大きい杯が回っても嫌がらず「少し」ついでもらえば普通のこと ♪遊びをせんとや 生まれけん♪楽しい雰囲気づくりが一番です。吉田明の白楽・小林東五の粉引・杉本立夫唐津・ 安食ひろ氏など酒のすすむ作品です。

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お互い会いたい時に会い、用があると一方的に無理をいうという身勝手な間柄、ご子息も一人前の陶芸家になられたようですが、やはり私は安食ひろ氏のファンです。使い込む程に味も良くほんとうの芸術家なのであろう 彼のぐい呑みには、銘と歌も添えてありこれも使う時期を同時に楽しめる。右端の作品は泥牛杉本立夫氏の唐津です。京都のお宅の展覧会で買ったものです。

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左は鶴の卵杯持ち手は、小林幸八松江城の指物師の作です。右は、安食さんの呼び継ぎという壊れた箇所に他の陶器を挟み込み又新しい再生の美学を生みだした作品です。後ろは、古唐津の呼び継ぎ、これは蒔絵を施して一度生命を失った作品をなお美しく再生した古くからある技法です。私も”ぐい呑み”は大好きです。しかし古美術の名品は高額なので、あきらめて身近で気にいった作家の作品に愛着を感じ使っています。

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杯といえば、燗鍋や銚子です。左・大聖寺伊万里の赤絵・右・古出雲この銚子は不昧公のお好みで木挽き町狩野の下絵が付いています。出雲地方では布志名焼きと楽山焼きの2種のお庭焼きが伝わっています。不昧公は、多くの斬新な意匠を松江の職人に残しています。銚子の中には、錫性の物もあり、冷酒の温度を更に冷たくしてくれる、金属ならではの特徴もあります。

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小林東五・吉田明・加藤静允・大樋年朗などさまざまな釉薬の妙味であったり、偏壷など形の面白さも表現されていて、酒器は、たのしい!私の周りの人々は酒をこよなく愛し、体は壊したが、反面ぐい呑みだけは育っていた。若かりし日の思い出と共にこうして酒器と語らう時間は、嬉しいものです。

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引き盃は、石杯とは又趣が異なり、味わいも違う、昔の引き盃は、木地も薄く、手あたりと口あたりの心地よさが違うように思う、塗り物は木地師の力量そのものです。四季おりおりの蒔絵の盃は、季節の嬉しいご馳走です。
by kuyugengen | 2012-06-08 12:54 | よもやま雑宝帳 | Comments(0)

6月アトリエのお菓子


金沢に来て蒸し暑い夜もあり、窓を開けて寝たら又鼻水と咳がでた。ウカツ!金沢の友人にその事を話したら、「北陸の人はそんなことしません」と笑われた。2日ほどゆっくり休みようやく少し元気になった。今月の稽古も終わり9日10日の茶事を残すのみとなりました。先月と同様「偲びくさの茶事」です四苦八苦茶人も、少し演出など変えようと元気の内に用意を済ませていたので安心です。木々の新芽も元気に芽ぶき剪定を頼んだので気分も良い。お客さまを迎える心くばりに楽な月はないようです。

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今月は、「水本さん」の青梅のこなしです。「こなし」は、蒸し菓子の一種で漉し餡に小麦粉や、薯蕷を入れて、蒸し、もみこなしたもの。似たお菓子の練り切りは、餡につなぎを入れたもので上生菓子の素材のひとつです。白餡を、上生菓子に使うとき、細工や着色がしやすいように、つなぎをいれる。そうして、好みの形に生成しやすくなる。一般的にそれを「練りきり」と呼んでいます。今回の青梅は「こなし」で注文したので、手間のかかるお菓子ということです。金沢の職人は、商売熱心なのか、職人気質なのかお得意さまの注文は、休日返上でつくってくださる。ほんとうに頭の下がります。
by kuyugengen | 2012-06-07 18:57 | お菓子 | Comments(0)