永井百合子が提案する・・・遊びや茶事の愉しみ


by kuyugengen

<   2012年 05月 ( 13 )   > この月の画像一覧

体の物差しを知る

d0133199_22452561.jpg

10年振りに風邪をひいたことがきっかけで気力も体力も低下して元気がなかった。そんな時「養命酒」のコマーシャルで知った言葉をふと思いだす。女性は7の倍数・男性は8の倍数で体のリズムに変化が現れる。確かに私もこの頃、体力・気力もぐっとダウンしているように感じます。私の稽古場にも高年齢の方も多く、こんなお話をなさった方があります。「私、もう通い始めて早いもので十年も過ぎました。でもここにお邪魔することが自分への挑戦なんです。どれだけできなくてもいいんです!」と話される。その時は深い意味も解らず返答に困まりましたが、人には「節目年齢」なるものがあるように感じた!今は“なるほど”と理解できる。
d0133199_22461264.jpg

東洋医学には、体の健康状態をみる方法として、「気・血・水」(き・けつ・すい)の考え方があると鍼灸師の先生から教えてもらう。自分の体は自分が一番よく知っているはずですが、元気だった頃のイメージが体に残っていると、自分の体への過信から無理をしてしまい、体調を崩しがちになります。節目年齢は自分の体をチェックするための物差しのようなもの、健康の保ち方や加齢への対処法なども人それぞれであると思う、しかし自分に「体の物差し」を知ると、日常の自分の体調や気分の変化にも敏感になれると思う。気候変動も激しいこの頃、気圧の変化にも中々付いていけない。患えば不安にもなり落ち込んでしまう。しかしようやく体の節目の物差しを知り体と対話しながら、もう少しがんばれそうに思い始めた。
d0133199_22464819.jpg

★東洋医学では、「気」は生命活動を営むエネルギー「血」はいわゆる血液「水」はリンパ液や汗などの体液。これらの「気・血・水」が体の中を過不足なく、スムーズに巡っている状態が“健康”ということのようです。一病息災の言葉もあるように自分の弱みを理解して、健康な老夫人になりたいものです。
by kuyugengen | 2012-05-31 22:26 | よもやま雑宝帳

今日のおやつ


今日のおやつは、金沢水本さんの時鳥の“一声”大徳寺納豆の塩気がバランスの良いお菓子です。
山形からTさんもお出でになり、今年初の“さくらんぼ”とても甘く幸せでした。

d0133199_1454275.jpg
d0133199_14542236.jpg

by kuyugengen | 2012-05-23 14:59 | よもやま話

住太夫さんとの語らい


d0133199_2227962.jpg
d0133199_22281140.jpg

第ニ部、歌舞伎でもお馴染み「傾城反魂香」(けいせいはんごんこう)住太夫さんは90歳も近い年齢、近頃老たけた語り方のようにお見受けする。しかしお元気そのものです。お話していると年齢にともなう声のトーンもあり、息使いもあるのだろうと感じた。休憩時間になるといつも揃って楽屋見舞いに行く、現代の軽薄な人間関係とは違い、今日も元気に「住太夫さんは弟子に向って怒ってる・怒っている!」伝統芸能の世界は、そうした師のきつい言葉も黙って聞く耳がなくては続かない!しかし太夫曰く“馬耳東風ですゎ”とあきらめ顔!現代の若者は、ハングリー精神がないのいで仕方がない。好きでなければ叶わないことです。毎回太夫は、文楽の行く末、芸の継承者不足のことなど、自分が見とどけられない もどかしさを悔しそうに語られる。これから日本の文化は、どうなって行くのでしょう?文化の継続は、1度あきらめるしかないように思ってしまいます。

d0133199_22361951.jpg
d0133199_2240144.jpg

今日は「阿古屋 琴責めの段」もあり桐竹勘十郎の阿古屋の人形振りには、ため息でした。琴・三味線・胡弓人形の巧みな指使い・演奏は、まさに人形に命が宿り血の通う演技でした。どこまでも限りない芸の道は深く、「これでよし」という妥協はないということです。私もまだ充分な体調ではなかったが、思い切って劇場へ足を運び文楽の熱演を拝見できてよかった。今日から世田谷の稽古をしています。
by kuyugengen | 2012-05-20 22:55 | よもやま雑宝帳

東京医療センターの検査

d0133199_18235986.jpg

今日は医療センターの検診日です。午前中に習字の稽古をして、急ぎ病院へ向った。1ヶ月も風邪が抜けなかったので検査結果も少し心配でした。しかし消化もよく温かくて、さっぱりした献立を心がけていたので今日の検査も問題なかった。しかし体は、まだ本調子とはいえない。何だか疲れやすい。「年なのかなぁ?」と少しへこんでいます。久しぶりの茶事も済み今頃になって「ひらめ筋」が痛い!何でも鍛練のものだなぁ!と感じています。駒沢公園を抜けて病院へと歩いていると、今日は時鳥も鳴いています。こんなに人出があるのに不思議!と思いましたが、緑豊富なので、居心地がいいのでしょう?木漏れ日の中を歩くと、そよ風も心よかった。少しのんびりして又がんばろうと思った。
by kuyugengen | 2012-05-16 18:41 | 与えられた一病の楽しみ方

金沢ウォークの思い出


伊勢彦信氏のコレクションは現代の収集品の中では有名です。、中国の新石器時代から、戦国、漢、六朝、北魏、唐、宋、元、明、清の時代の陶磁器の名品を選りすぐり、中には重要文化財クラスの収集品もあり、また茶道具の収集なども素晴らしいと聞いています。地元での展覧会を拝見できて嬉しく思いました。

d0133199_1039324.jpg
d0133199_10403832.jpg



まだ少し雨すら寒い朝です。金沢からの移動した荷物を整理したり、帰りぎわに急ぎ書いたブログの修正などして朝ご飯です。昼から、息子夫婦も金沢から見舞いに来てくれるようです。パソコンのフォルダの整理をしていると、楽しかった金沢ウォークの画像を見つけた。県立美術館のイセコレクションを観た時の思い出です。その一角にパテシエで名高い、辻口博啓氏の挑戦する和とスイーツの喫茶があり、新しい日本茶と洋菓子の融合「宇治の本玉露」など趣向を凝らしたオリジナルスイーツをコースで頂戴できるという不思議な小空間の茶房を訪れた。

d0133199_1037014.jpg
d0133199_10372788.jpg
d0133199_10375519.jpg
d0133199_10381396.jpg

★コース内容
小菓子
季節のお茶(お口ならし)
本玉露(一煎目)
本玉露(ニ煎目)
•アシェットデセール(スイーツ ニ品)
•熱出し玉露(三煎目)
•小菓子
•炒り立てほうじ茶
料金 3,000円(税込)
茶師のスムーズな点前も爽やかで、金沢だからできる素敵なおもてなしです。スイーツは、写真では大きく感じますが、煎茶・玉露・加賀棒茶に合う素晴らしいサイズの可愛らしいお菓子です。
by kuyugengen | 2012-05-15 10:40 | よもやま話

偲び草の茶事


金沢で茶事を始めるようになれば、まず最初に茶友への供養の会をして、本来の茶会へ進もうと考えました。念願叶い私も1年振りの茶事に緊張です。こうしたテーマの茶会は、初めてなので、どのように用意しょうと悩みましたが、「彼女に喜んでいただけるようにしょう」と思った時から、支度はスムーズに運びました。まず寄付の大襖を漆和紙の市松に変えて気分を少し引き締めました。

d0133199_6284661.jpg
d0133199_6291194.jpg

切り紙の蝶を舟板に遊ばせて故人を偲び、寄付では、季節の春欄のお湯を、そして般若心経の写経を各々1行写し、本席へと移ります。

d0133199_73217.jpg

この軸は、大徳寺13世宙寶の筆によるもの、大徳寺の塔頭に前田家の芳春院があり、奥方まつ様が建立した菩提寺。一本の墨の勢い 賛には、主丈辺看々親と書かれてあり、最晩年で、松月の号となっています。(慣れ親しんだこの丈を眺めていると愛着もあり、離れがたい、長年のお付き合いもこの丈のように離れがたきものである)丈の頭の丸い部分をなでる温厚な和尚の様子も伺えるようです

d0133199_727562.jpg

向付は、精進なので、胡麻豆腐・こしあぶらという山菜を留めて、煮物椀は、枝豆と海老真千代に木の芽をあしらいました。今回、強肴のひと品に、季節の粽鮨を用い、金沢らしい懐石でありたいと、白・黄色の水引きを結び、常とは少し改まった表現を試みました。

d0133199_730750.jpg
d0133199_7334597.jpg

寄付の軸は、金沢縁の細野燕台、魯山人を世に送り出したプロジューサーです。「清芳」この季節の風を感じています。茶会の日は両日ともに、良い天候に恵まれ、おそらく彼女は、風に乗って舞い降りていらっしゃることであろうと感じました。

d0133199_7534127.jpg
d0133199_7585970.jpg


久しぶりにみなさまをお迎えするので、にじり口には、松葉を敷き爽やかさを演出してみました。

d0133199_833220.jpg

 主菓子は、吉はし製・「偲び草」と銘したお菓子です。自然薯の入った美味なる味を堪能しました。

d0133199_823324.jpg
d0133199_8124563.jpg

薄茶席九游では、青竹の花入を用意して、野の花が軽やかに咲いているよう表現しました。薄茶を始める前に、寄付で写経した紙を風炉の火で燃やし昇天しました。おそらく「先生恥ずかしいですょ」とおっしゃるお声も聞こえるように感じましたが、そのようにさせてもらいました。ご主人からのお知らせの中に、彼女の意向で骨を熱海の海に水葬して欲しいとの遺言があったそうです。そうした意味もあり、本日は水指を広い海を表し本席は、堆朱の茶器を見立て使わせてもらいました。人知れず、みまかられる死の美学も理解できます。しかし故人を思う気持ちもたいせつにして偲びたいと考えます。

d0133199_82716.jpg

薄茶のお菓子は「露のしずく・楓」床の軸は、私のたいせつに思っている師匠である故 紅雪庵主人の筆です。初回の集いでは、お集まりのみなさまのお顔を見ると、せつなく胸も熱くなり挨拶も戸惑い涙も溢れた。しかし今回は、大丈夫でした。この茶会を通し、みなさまに人との交わりの儚さ・茶会の余韻の心地よさを体感していただけた事を嬉しく思いました。

d0133199_8294427.jpg
d0133199_8301392.jpg

茶事の段取りは難しいものです。今日も「銭屋」さんとのチームワークもよろしく、裏方を無事勤めていただきました。茶事は、生き物です。いつも満足には至りません。思い通りにならなかった未熟な事柄・反省点など細かく記録している。そのファイルの内容も多くなる度、茶事のタイミングの難しさなどを実感するものです。しかし失敗も次の力にして自分のできるお持て成しを完成させる事は、茶の湯を学ぶものには重要であると感じています。

d0133199_8464536.jpg

娘もアメリカから帰り、金沢での対面となりました。今日は裏方のスタッフ二人の都合も悪く、手伝いに回ってくれたので助かりました。

d0133199_849173.jpg

好きな茶事を元気で行いたいと思っています。日常的ではないが茶事の緊張感ある瞬間が好きです。14日早いもので今日は東京へ帰る日となりました。
                          
by kuyugengen | 2012-05-14 06:31 | 茶事

今月の泉野教室のお菓子


5月は、水本さんのお菓子「落とし文」です。木の葉の形に模り中は、白小豆の餡が巻かれている、風情あるお菓子です。口解けも良いこの練り切りは、とても美味しく頂きました。金沢の注文菓子は、いずれ劣らぬ腕の競い合いがあるようです。頂戴する私たちは、ありがたいことですが、しかし毎日の職人の日々の消尽は、想像を絶するものであろうと感じています。

d0133199_17241233.jpg
d0133199_17282057.jpg

稽古は今日で終わりました。13日の茶会を残すだけとなりました。いつも料理上手な奥様が、色・味さまざまな”かき餅”を丹念に焼いてお出でになりました。毎年これを頂戴すると元気になるよう・・・!金沢の心温まる素朴な家庭の味です。
by kuyugengen | 2012-05-10 17:29 | お菓子
d0133199_18435325.gif

私のお世話になっているパソコンの先生は、金沢を建築した時桜木神社の宮司さんの紹介で、お目にかかったことがご縁、今までお世話をいただいています。先生は、金沢のリハビリセンターの障害のある体の不自由な方々に県職員の紹介の元、生き甲斐を感じて欲しいとの意思でボランテア活動をなさっています。黙して語らずの風貌なので、私もあまりプライバシーに触れたことはない。アル中であったり、認知症であったり又身寄りのない方などにコーヒーなど喫茶のサービスにも参加されているようです。それは決めた週・日もあり出向かれるようです。先生は都心の大企業を56歳で早期退職なさり、母親の認知症の看護の為に金沢の郷里に帰られたようです。親孝行であると思う。ほんとうに人の為に善意を尽くす人は、この方のように知らない振りして爽やかに行っておられると思う。私も以前から、薄々聞いていましたが、今日は少しお話を伺う機会を得た。私もしっこい性格なので熱心に先生に食い下がる教え子の一人です。パソコンは、自分のしたいと思うことを手順よく行えば、ほんとうにお利口な機械であると感じています。私自身、未知を知り生き甲斐を感じている一人です。d0133199_8315471.gif 
d0133199_1974041.gif

by kuyugengen | 2012-05-09 19:12 | よもやま話

歩いて金沢・・・!

d0133199_1946297.jpg

茶事の日を除いて、天気の良い日は、ほとんどブラブラと歩いています。今日は、郊外の「ヤマダ電気」までの歩行です。ゆっくり時間をかけて歩巾を開いています。金沢のみなさんは車でスイスイですがウォーキングは、楽しいものです。アップダウンもほどほどにありますが、1本道を真直ぐ行くと左手に大きな金沢駐屯地が見えて、その坂をグングン下がると、お目当ての山田電気がある。工業団地というのでしょうか?新しいショップ街です。茄子用ビニールハウスの中は、茄子が花を付けていました。水田は、早苗の植え付けも終わり苗も初々しく風にそよいでいます。郊外の農家の佇まいも立派 数日前のことです。やはりデジカメも必要かとふっと思い買いに行く。しかし一眼レフとは、色に少し差があり、今日は、ゆっくり相談した。店員さんは、「各メーカーの商品は把握していないが、デジカメは、各メーカーそれぞれの色です。」とすげない!しかしそれはそうだ!価格も違うのでと納得してみた。細かい手動の設定は落ち着いて慣れるしかないと思った。手軽が良いか・色こだわるか?なのであろう。歩行距離は、駒沢公園を2周まわり家に帰る位の歩数です。金沢市内は、東西南北、自宅を中心に、これ位の距離が何処へ行くにも最適であるような気がした。

d0133199_1832121.jpg
d0133199_1835413.jpg

by kuyugengen | 2012-05-09 18:35 | よもやま話

偲び草の茶事を迎えて


d0133199_1039395.gif

花に喩えるなら、清しい鷺草のよう、小柄で細かった露木千恵子さまは、誰にいうともなく、天への旅立ちをなさり久しくなりました。毎回金沢で行う茶事には、何事もなかったような普通の顔で、遠路熱海よりお出ましになりました。「先生の茶会は私、這ってでも行きますょ」とおっしゃる言葉の深い意味も理解せぬままのお別れでした。そして私にとってかけがえのない茶友でした。早いもので二十数年の年月が過ぎてしまいました。周囲の方々には、自己の悪い状態を知られることなく潔く人生の終止符を打たれました。夫婦二人で築かれた人生の中で、妻を失うことは、鼓盆の悲しみ残された者には、解りようのない悲しみです。鼓盆とは、食べ物を載せる素焼きの器を鼓くことで、荘子の至楽篇によると、それは、リズミカルな叩きかたを表現していることのようです。荘子は、妻を亡くし悲しむべき場で盆を鼓きながら、死の直後の悲しさは、どうしょうもないと心のやるせなさを歌ったことでしょう!この話を読んだ時、まさに、今現在のご主人の心を一番解り合える言葉のように感じました。

d0133199_11484758.jpg

ここ金沢に、ふらっと住んでしまった私でしたが、心を一つにして、流の違いなど違和感もなく茶会を行えたことを、しみじみ嬉しく感じています。ようやく茶会の用意も整いました。明日はおそらく「恐縮ですょ!先生」とハニカミながら、この地に舞い降りて下さるであろうと感じています。私のことばかり心配して"よくぞ こんなにごまかせた”と思っていますが、しかし貴女は明日の主人公です。どうぞごゆるりと愉しんで下さい。このブログのアップは、13日の茶会が終ってからと考えております。日常茶人である私のもてなしは、できる範囲のものですが、導かれるように支度も終わりました。                              感謝
by kuyugengen | 2012-05-06 11:36 | 茶事