永井百合子が提案する・・・遊びや茶事の愉しみ


by kuyugengen

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11月のアトリエのお菓子


11月のアトリエのお菓子は水本さんの「とまや」と題したお菓子です。「とまや」とは、田舎家のかや葺き屋根の風情を表現したお菓子です。中の餡は白小豆でお得意の練りきりです。五箇山の田舎家をふと思い出しました。
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by kuyugengen | 2010-11-25 16:32 | お菓子

東京のクリスマス飾りは、とても洒落ていて見とれることもしばしばあります。今日は日本橋三越まで買い物に出かけました。玄関の飾りつけもクリスマス一色になっています。銀色に統一してあり、とてもシンプルなこの作品つい見とれました。12月の東京は、イルミネーションなども豪華に点灯して年の瀬を急いでいるようです。
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by kuyugengen | 2010-11-22 20:16 | よもやま話

世田谷の稽古も始まりました。今日完成した作品の一つを紹介します。親子二代に渡り稽古にお出で頂いているK夫人は、私とは年齢も同じですが、海外生活も多くアメリカナイズされたクールな奥様です。毎日お茶三昧と多忙な生活を過ごされています。今日の作品は、南蛮の背高花入なので、アフリカの包帯織り・泥染めを用いました。紐を付けて出来上がると中々雰囲気のある作品となりました。

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包帯織りとは、細い幅の織物を繋ぎ合わせて広い幅の1枚の布に作りあげています。アフリカやタイの山岳民族の間に伝わっています。昔は山坂を並んで“汽車ぽっぽごっこ”のように並び山を登り、腰に糸をぶらさげて織るのだと聞いています。何という働き者なのでしょう!
by kuyugengen | 2010-11-21 18:03 | アトリエの製作品

紹鴎棚の水指に思考



ある方から「紹鴎棚を使い仲間内の茶会に使う気の利いた水指が欲しい!」「本来は、七宝で造った作品が理想ではありますが、中々適当な作品がないの」と相談があり、私は現代生活に即した水指をと思考して茶会も近づいた今日ギリギリ塗り蓋も間に合い納品です。深海の海の中に置き忘れてでもあったような素敵な作品が出来上がりました。主なる素材はアルミを用いました。しかし茶の湯の問の中で「アルミでございます」というのは似合わないので元素名で「鋁」「りょ」と呼ぶように伝えました。おそらくこのような素材で造る思い付きは、古来にも無いはず誠に面白い!と私は思っています。蓋も心持ち“そり蓋”にして動きを付けて「蝋色」に仕上げてみました。指物の腕の良さとマッチしています。

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水指「鋁」は小山泰之氏の作品で30代の若い工芸家です。こうしてアルミの世界も茶の湯の道具が造れて道も広がれば嬉しいことです。只今バリエーションを少しづつ考えながらチャレンジしています。

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11月21日(日)小春日和の午前 茶会に出かけました。「茶の稽古場を持たれて25周年」と「先生ご自身の古稀の祝い」を兼ねて茶会を催されました。先日出来上がった「鋁」の水指を席中で使われたので、さっそく拝見、紹鴎棚との調和など確かめることができました。お蔭さまで、お客さまの評判もよく、ほっと致しました。

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会場のホテルは最上階に茶室があります。お天気もよかったので、外気も心地よい一日でした。秋を色どる木の葉にも短い秋の終演を感じます。
by kuyugengen | 2010-11-16 19:30 | アルミで造る小品

忙中閑あり




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今日は知人のご案内で、朝早くから夕刻まで金沢の郊外白山神社のその奥の村まで出かけました。途中で蕎麦屋により休憩して、めざす隠れ里へと急ぎます。蕎麦屋も紅葉の山並と解け込んみ素晴らしい雰囲気!ちょうど時分時なのか、満席です。待ち時間に写真を撮り店のあちこちに目を凝らします。そこには本物の時空間がありました。
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吉野谷村の「あみんみや」さんは、電話帳にも記されていない知る人ぞ知る の喫茶店医師であったご主人を亡くされた後に建築なさったという雰囲気のあるお宅で、日・月・金・土の4日間のみ開店という ご自身のお楽しみのみで開放されている、”きまぐれママさん” もんぺ姿は、何ともすてき!!d0133199_18854.jpg
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大きな丸テーブルを囲んでのお茶・・・・!材料は大酒樽の蓋で造られたそうです。すばらしい!
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大樽テーブルを囲んだ話にも花が咲き、雑誌を読んだりママと話したりしながら山里の夕暮れは迫ります!コーヒーのセット一つにも、このお宅の温かい主の心が伝わります。
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黄金色に色付いた木立の間に細い大根を数本干して又何という風情でしょう!さりげなく置かれた"ほうの葉の上にどんぐり”季節が移る度に替えられる設えのご様子には、静かな日本の平和を感じます
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心地よい"隠れ里”へのご案内に感謝します。
by kuyugengen | 2010-11-14 18:21 | よもやま話

今日も雨が降ったりやんだりと、ぐずついた天候の1日でした。雨のやみ間をみはからい花を買いきたり、又庭の桜の虫くい葉が風に吹かれて舞い落ちるので片付けごともイタチごっこです!雨の水でくっついた葉っぱは、手でとるしかありません。炭点前も今に至り何回か練習を繰り返したので納得できました。1箇所でも間違えると先に進めなくなるので練習するのみです。藪の内流の炭点前は難解なので、緊張でドキドキです。明日の無事を祈りました。待合に飾った不断桜も咲きだし、ちょっと止まり木に鈴虫を置き ほっとひと息しています。

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薄茶席の軸は歌人佐川田昌俊が松花堂に宛てた松茸御礼の文です。「みごとな松茸ひと篭 誠に布袋水入り狸の腹鼓ほどの大悦・・・・」歌一首 君ならば 問う ことのはの  花にさえ  谷のむこうの  口木も春にこそあれ 云々とある。短い秋を惜しみ時期はずれですが、この軸を選びました。そして席には、松茸風味のコンペイ糖を用意して驚かしです。

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今日も無事に茶事を終わることができたこと感謝します。

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福井の出身でプロで活躍中の福原一笛先生とのご縁を戴き、本日は、茶筥席で一曲所望しました。同席の方々もしばし"しの笛”の澄んだ音色に聞き入りました。




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今日のお客さまは、珍しいお流儀で盛装には袴を付けるそうです。正客の男性は、裏千家の青年部で最近までご活躍であった方です。長年私の仕覆弟子でもあり、ようやく念願も叶い金沢にお運び下さいました。熱心、また手先も器用 何でもこなす”お茶オタク”です。なかなか絵になる方々でした。

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薄茶席の茶筥は、蜂須賀家お抱え蒔絵師「飯塚観松斎」の秋埜茶筥です。印籠蒔絵師でもあったので、細部にわたり綿密な仕事振りが伺えます。頭の下がるいい仕事の茶筥です。
by kuyugengen | 2010-11-12 17:36 | 茶事

開炉のお菓子


茶の正月に相応しい金沢森八さんの特別の注文品「不老門・長生殿生〆」をお席に用意しました。不老門は老舗森八さんが特別に吟味された主菓子です。一見大きいお菓子に見えますが、美味しいので つい食べてしまいます。しかしみなさん大満足です。長生殿生〆のできたては、口解けも良く後味もさっぱりとした干菓子です。古お殿さまは、おそらくこのような長生殿を召上っていたのでしょう!茶筥の振り出には、"松茸風味のコンペイトウ・和久傳さんの古胡桃・艶えくぼ”など用意しました。

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by kuyugengen | 2010-11-11 20:13 | お菓子


11月に入るとちらほらと可愛らしく着飾った紳士・淑女に出会います。今日から開炉の茶事も始まりました。金沢には珍しい袴の儀の風習が残っています。私もこの人形と縁を戴いていたので、この月になると毎年人形を寄付に飾っています。掛物は松村呉春・景文の画賛を飾り、開炉をお迎えします。

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本席の床には、歌人藤原家隆卿の御歌三種
松の戸をおし明けがたの 山の葉に  雲もかからぬ月をみるかな
ふるさとの みがきがはらの はじ紅葉 心とちらせ 秋の木枯
たがために 人のかたいと よりかけて わがたまのをの  たへんとすらむ
呂宗の茶壷「銘閑雲」に18世紀紺地金更紗を敷き飾りました。

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煮物椀には、伊勢海老真千代味噌まで入っているので素晴らしい味です。強肴の器として元禄時代の埜弁当を使いました。今回は、四の重に、アナゴの小袖鮨など盛ってみました。

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金沢の郷土料理でもある「鯛の唐蒸焼」は、お腹の中に、卯の花も入り御目出度い料理です。お祝儀のお酒は、菊姫酒造の「鶴の里」杯は、鶴の卵杯で饗しました。

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今月の亥の日は9日で開炉は、都合により1日遅れ10日に行いました。姫宗和「与次郎」の釜も濡れ釜にしてお炭を改めます。釜は、金沢にふさわしい詩が刻まれています。
さざなみや しがのからさき かぜさえて ひらのたかねに  あられふるなり”滋賀の唐崎は、樹齢100年の松があり、兼六園に子を分けそれを幾本も植えた後に成功した松が大きくなり、現在兼六園の中心にある「唐崎の松」です。茶事の前日には初霰も少し降り、炉中にも藪の内流の霰灰が入りました。鐶付も松の枝の形になっています。何とも洒落たものです。

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本席に水指は、小林東五 御本釉の少し垂れた景色を慶雲に見立て、銘「慶雲」と付けて戴きました。茶席にともる灯りのような水指で気に入っています。
茶入は古瀬戸長肩付 客付の方に古切を張混ぜて愉しい仕覆ができています。片身変わりで、左側の錦の切れは、江戸時代のものですが、ロンドンから帰化して帰り、日本への「里帰り」した布です。コンディションの良い美しい錦です。このような面倒な仕覆でも、自ら作れば、可能なこと、しかし簡単には できません。

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by kuyugengen | 2010-11-11 08:43 | 茶事

開炉の用意


11月は茶を嗜むものにとって茶の正月です。茶壷の封印を口切する月なので、床には茶壷を飾り改まります。昔は、春分頃を目やすに摘んだ葉茶を茶壷に詰めて、口に和紙を張り封印して、その壷は冷暗所に置いて、夏越しをさせてから葉茶は熟成するようです。そして11月になり茶壷の封印を解き、新茶を石臼で引いて濃茶を喫する慣わしが茶家に伝わっています。昔はお茶を一年かけて大切に飲み継いでいたようです。現在では、茶の製法は格段に進歩していて、いつでもまったりとした抹茶が戴けます。私は不勉強でそうした壷の封印を切る点前まではしませんが、お炭を改めて開炉としています。金沢へ来て2日目お日柄も調べぬまま、都合重視で畳替えと路地の竹の一部取替を致しました。ほんの少しの手入れながら、どこか改まった心持ちです。流儀の炉の灰「霰灰」を入れ替え、松葉を敷きますと一刻一刻開炉の茶事への緊張感も高まるものです。

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小さな灯篭を置いた蹲の周りに"ままごと”のように松葉を敷いています。男松葉の方がいいようです。今日は道具の点検に忙しい1日でした。日頃何気なく使っているお茶の銘の由来は、知っているようで知らないものです。濃茶についている銘~昔は、全国統一の呼び名のようです。これは、春分の日から、21日目の新芽を摘むので、「十・十一・日」を縦に書き、昔とあてています。薄茶についている「白」は、江戸時代茶店で草餅を食べた茶師が、あまりに色良い蓬餅なので「どうしてこんなに年中緑が綺麗なのか?」店の主人に尋ねると「芽立の時に摘んだ蓬を上手に蓄えているので、冬になっても色良い餅が作れます」と答える。その後蒸しの製法を研究し、茶作りに取り入れ、今のような緑のお茶ができるようになりました。これは煎茶でも同じです。お茶も古くなれば、又元の白に帰ります。そうした名残から薄茶の銘には、「~の白」と呼ばれています。お菓子屋さんも正月の初釜の時あまりに香り良く色良い蓬餡を作られるので尋ねましたら、「初摘みの蓬を温度管理してくれる専用の冷蔵室に預けています」と聞きました。「緑の業界」は、現代に至っても、もさらに色良い緑を深く追求しているようです

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by kuyugengen | 2010-11-05 10:01 | 茶事

10月の末茶会のお招き


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遠州流家元の弟君の半白の茶会が、靖国神社で催されました。その日はあいにくの大雨です。刻限が近くなっても、雨足は遠のきません。身支度をして完全武装して出かけました。こんな大雨での茶会は初めてす。最初の席入りなので、まだ社中のお支度も遅れています。少し落ち着き、寄付に案内される。今日は宗匠の半白歳のお祝いの席です。床には紅葉した照り葉が美しく描かれた宗達の絵は、時節柄ぴったりとした額装です。志野の火入には、遠州流らしい"とまや”の風情を表現した灰のあしらいも「洒落たものだな!」といつも感心致します。本席の床の軸は、明恵上人の「御わたりの文」重要美術品が飾られ白玉椿の白と満作の照り葉が品格を添えています。遠州蔵帳中興名物の茶入・主茶盌は釘彫伊羅保・銘鈴鹿山ほんのり胴に赤みのある、景色がおそらく鈴鹿山の紅葉と重なるでしょう!茶杓は半白のお祝いを表す肩身変りの竹に景色のある、権十郎蓬雪共筒、水指は茶席の雰囲気と見事に調和した古備前矢筈口いずれも濃茶席らしいご立派なお道具の数々です。薄茶席洗心亭床の軸の清々しい江月宗玩禅師の筆「時時日日日日時時」心打たれる一行でした。半白七宝文に半月の紅白の干菓子を頂戴して点心席へと進む、流儀の仲間で志戸呂窯へ行き本日の為に肩身変りに釉を掛けたと云う向付を造られ、飯・汁・向の三献が運ばれました。強肴として用意されたのは、色とりどりの美しい重詰に小振りではあるものの卵で色染めした海老真千代に松茸2枚の椀、心のこもるお祝い料理を頂戴しました。しかし雨はやみ間もない様子、池のみぎわにある靖泉席へと急ぐ、宗匠席は、少しはんなりとした道具飾りでほっと和みました。床の軸は「心無邪」の大きく書かれた権十郎蓬雪の書邪「よこしま」な気持ちなく無邪気である。のような解釈であったかと思います。床は、明代の七宝の小ぶりな釣舟の花入に料蒲の照葉が心に残りました。小ぶりの四方切合せ鉄風炉釜が掛けられて息抜きしてある所など流石であると感心致しました。宗匠の小学校の若さま二人が可愛らしい肩上げをしたキモノに袴姿でのお運びは、ほっと笑みがこぼれます。お天気女の私ですが、池に落ちる雨音も久しぶりに聞いた気がします!木々の緑も美しく、良くも悪くも忘れえぬ茶会となりました。

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        半白歳のお祝いの茶会お招きありがとうございました。
by kuyugengen | 2010-11-04 18:44 | よもやま雑宝帳