永井百合子が提案する・・・遊びや茶事の愉しみ


by kuyugengen

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今月は、稽古が終わると夕方、高島屋の和久傳へ三時のお菓子に使っている「栗の葛寄せ」を受け取りに行っています。玄関ホールは、10月31日に行なわれるハロウィンも近いのでお子様用の魔女の仮装品も用意されていた。夕暮れのあわただしい時間ではありますが、ちょうど可愛い魔女が記念撮影の最中です!「私も写させて!」と知らないお母さんに、つい声をかけてしまった。

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小さな魔女も、ちょっと驚いたのか恥ずかしそうです。ハロウィンは、日本では、あまり馴染がないものの、ヨーロッパを起源とする民族行事で、収穫を感謝する祭りでもあるようです。
by kuyugengen | 2010-10-25 20:44 | よもやま話

帰り早々のお客様の来訪



15日に東京に帰り16日~18日まで毎日お客様の来訪予定になっています。夕方3人のお客様なので、京都高台寺和久傳さんの「松茸・鱧しゃぶ」を囲み豪勢に食しました。老人会とは思えない食欲です。早めに着かれたお二人には、少し時間があったので、珍しいものでも見て貰ったりした後「お腹もすかしてきたょ!」との一声で、さっそく“栗の葛寄せ”を切り虫押さえのお茶を戴きました。十月の限定の△に切る和久傳のお菓子です。濃厚な栗の裏ごしに吉野葛を使い上手に固めてあります。甘みが絶妙で、みなさん初めて戴いたと感激です。

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今日のメインは「松茸・鱧しゃぶ」です。今日は金沢の蕎麦屋の藤井さんに蕎麦粉を分けて貰いましたので、お鍋の中に“蕎麦がき”を作り落としてみました。こういう食べ方は、初めてとみなさん感激のようで、嬉しく思いました。気の会う仲間なので、思い切り話し賑やかな夕食を過ごしました。

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和久傳さんの鱧はもちろんのこと「松茸さま」も大きくて香りもよく、おそらく松茸山をお持ちであると思います。20センチは充分に背高の松茸です。まず香りを回して楽しみ、鍋に入れます。秋ならではのもったいない幸せです!お酒も金沢福光屋さんの冷おろし・赤とんぼのマークの付いている“秋の味”です。二子玉に出店しているのでので、買いに行きました。今日の皆様は酒豪揃いなので、私も心よく酔いしれました。
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話に花を咲かせひとまず片付けてから中入りです。そしてテーブルでお茶です。「蓮餅西湖・焼板きり栗の薄焼き煎餅」でオヒラキとなりました。きり栗は、栗の実を丹念に裏ごし甘みを加えて薄く焼きあげたお菓子です。上品なお菓子です。今日は和久傳製で纏めた食事会となり幸せな秋を満喫致しました
by kuyugengen | 2010-10-17 11:49 | よもやま話

重陽の茶事の余韻


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茶事が終わると出席戴いた方々からの、温かい気持ちのいっぱい詰まった手紙や葉書が届きます。いつも楽しみに開封し拝読します。最近は金沢からのお客さまも多くなりました。今回お出でになったF夫人は自身のブログにも感想を書いてくださいました。この方は金沢の中では珍しくドライで快活そしてひときわエレガントなご夫人です。日常はテーブルセッテングのコーデネイトを指導されていて、それぞれの国の文化を大切にされ探究心旺盛な方のようです。私はこうして戴いた礼状を大切に保管しています。それは、お茶ができなくなった時又私の寿命も尽き棺に入る時には、この文を入れてくれるようにと頼んでいます。60歳代で思いがけず未知なる新しい出発をしましたので、こういう文を残しておきたくなるのは、私が最後に残した「ほんとうの宝もののよう!」と感じたり思ったりしています。人と人との繋がりは、誠に異なものです。
by kuyugengen | 2010-10-13 14:31 | よもやま話


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今朝の金沢はあいにくの雨模様です。明日集まる茶事のメンバー数人と立山アルペンルートへと出かけました。車も富山に近づくと雨も小降りになり立山の山並が雲間から現れます。レンタカーを利用して立山の駅まで行き、美女平までは、ケーブルカー・室堂までバスに乗り素晴らしい50分の紅葉を眺めます。「ななかまど・ダテカンバ・豆の木」の峰楓」の黄色などに目をやり短い時間の小旅行です

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美女平の原生林を登ると樹齢300年という立山杉がそびえてバスも一時停止してくれる。大蛇のように降りている「滝見滝」「そうめん滝」日本の滝百選に選ばれた「称名滝」ヘヤピンカーブの曲がり角にバスを止めて滝見するふと崖っぷちに鎮座する地蔵の祠が愛らしいこと!標高2,400Mの紅葉・黄葉・緑の森林やハイマツの色などこき交ぜた錦の景色は素晴らしい!「来てよかった!」と各々のそんな心地よい鼓動が聴こえてくるようです。山の天気はお湿りもあり一段と美しく人出は予想よりも多く、驚きました。しかし好天ならまだ1,000人も多い人出のようです。雨あがりの今日は運がよかった!

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2回目の茶事の前日の散策ではありましたが、思い切ってアルペンルートへ行きました。”ななかまど”の実も葉まで真っ赤です。この美しさは忘れないことでしょう!団体客とテーブルを囲みましたが、私は朝出かける時に、旅持ちの茶籠セットを用意したものの程よいポットも見つからぬまま、電子ポットと柄杓を積み込み出発です。雑踏の中での一服でしたが、みなさんに薄茶を振るまうこと叶いました。やはり山の空気は澄んでいて美味しく良い思い出となりました。d0133199_21331758.jpg















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夕方6時30分から営業する贔屓の蕎麦屋「藤井」さんの店で、少量づつの蕎麦の全メニューを戴いて、濃厚に作ってくれる蕎麦湯を蕎麦焼酎で割り4杯も飲み今は、メロメロ・・・・!そして息も絶え絶えでブログを書いています。「上機嫌です!」そして元気にしていまーす!

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帰りの道すがら途中下車して、高岡の蔵屋敷の町並を車の中から覗きました。里方は、なぐりつけるような雨です。各家の2階に上がっている”うだつ”は立派で美しく見事な建築物です。又別の機会にゆっくり見に行きたいと思います。昔の高岡の繁栄の姿を大切に守っているようです!ナビの案内があるとはいえ1日の運転は、ほんとうにお疲れさまでした。又行きたいですね!
by kuyugengen | 2010-10-09 21:37 | よもやま話

重陽のお菓子


本席のお菓子は、吉はしさんの”自然薯を使った"菊きんとん”です。いつもながら口の中で溶けるような甘美なお菓子です。
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干菓子は「小墨らくがん・公孫樹」を模った黄葉色よい干菓子です。できだちの干菓子を戴ける金沢の注文菓子は、さすがという他ない幸せなことです。

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茶会のおもたせのお菓子は、「籬(まがき)」・「山路のきんとん」でした。美味しいとはいえ、ちょっと「きんとん」は、持ち帰りを案じました。

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by kuyugengen | 2010-10-07 19:32 | お菓子

重陽というのは、陽の1番おおきな「九」が重なるめでたい日です。本来は陰暦九月の節句ですが、自然の菊が花咲く頃は10月中頃で山形の「食用もって菊」は、やはり今年も残念ながら手に入りません。重陽節の菊は、ちゃんと日時を守り開花するようです。天然の「もって菊」のみ色だしもよく、味もよいのだと去年初めて気がつきました。寄付の軸は能衣装の江戸時代の唐織りを表具したものです。

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   重陽の茶事本席の初座は「和漢朗詠集」露の巻き近衛豫楽院筆三種の和歌です。
   あわれむべし 九月初三の夜 露は真珠に似たり 月は弓に似たり
     露は欄叢にしたたりて 寒玉白シ 風松葉を含みて 雅琴すめり
     さをしかの朝たつ おのの秋萩に 玉とみるまで おける白露

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近衛文麿の弟である、春日大社宮司 近衛忠麿の極めがあり、重陽には、毎年この軸を掛けることにしています。後座の濃茶席は、「絹地松竹梅紋の小袖切れ」を本紙表具した軸をはんなりと掛けてみました。花入は、時代桂籠でたっぷりとしています。今日は多目の花を入れてみました。重陽節は、中国から日本に伝わり、宮中では、邪気を祓う霊力がある事で日本に伝わり、そうした意味もあり紫宸殿の左右の柱には端午の時に飾った薬玉からグミ袋へと移ります。今回床の花も、秋グミと菊などを用いてみました。現在でも「雲上流の有職造花」として伝え守られています。

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風炉も名残の月なので、「8代寒雉作・やつれ風炉と12代寒雉の釜を合わせました。16世紀南蛮水指・古高取耳付 銘白露に斬新な婆娑羅」の垸を主として組んでみました。本日も一服濃茶を練り喜んで戴いたようです。思いがけず難しいインフルエンザが流行してからは、いつも、そのようにふるまっています。そして濃茶を啜った垸でたっぷりの薄茶を延ばします。これもたまらないご馳走です。立礼席が茶筥なので濃茶の時にたっぷりのお薄を頂戴することにしています。これも臨機と考えこのスタイルが好みの定番となりました。

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向 紅葉鯛の昆布締め・加減酢・岩茸 折敷は明治に活躍した加賀の塗師大垣昌訓作品です。感心するほど綿密で巧みな仕事です。裏には3本の小さい足が付いていて可愛らしい胡桃が折敷の三つ足となっています。何としゃれた思考でしょう!1865年金沢に生まれる。蒔絵師高田茂三郎に師事・加賀蒔絵の祖、五十嵐流の蒔絵を受け継ぐ名工。大垣七宝を考案し後に宮内省御用となる。

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   今日の椀盛りは「すっぽん豆腐」芽葱・つゆ生姜です。これは銭屋さんのお得意の料理です。

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  強肴は、壬生菜・松茸の菊蒸しです。孝明天皇から下賜された鉢平戸伊万里に盛ってみました。

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炊合せは、飛竜頭・舞茸・菊菜・針柚子色どりを合わせた清朝 康煕三彩に盛ってみました。この器には「スピナッチエッグ」という別の呼び名もあり、「ほうれん草の緑・卵の黄・白」色の鮮やかさをこのように表現する言葉もあります。

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焼物は、豪華にのど黒の幽庵焼きです。若い頃からの友人である山本教行氏の地釉鉄打ちの鉢を使いました。

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今日のお酒は祝儀に金沢発シャーベットのお酒・ひやおろし「秋の宵」菊姫・雪中貯蔵「こしのはつうめ」八寸は、菊姫の普通酒で菊酒を作りました。

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八寸は、銀杏の松葉打ち・車海老の沢煮置き上げ菊の蓋を使い後で、表の文様を拝見します。

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湯桶・香の物も花のように彩りよく盛り付けました。アトリエに通われている福森暉子さんのちりめん山椒の"福さんご”も小菊の豆皿に入れて楽しみました。

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薄茶席は、本日の重陽と重なる茶室「九游」で、好例のオリジナル茶筥で小さい世界を愉しみました。風炉の前には、沖康史作信楽の一文字の花入に秋の草花「白竜胆・豆柿・霜柱・藤袴・白水引・」などを入れてみました。茶筥は扇面型秋埜蒔絵・小茶垸は越州窯青磁・初代竹泉・加藤静允赤絵・旦入赤・染付け唐人帽子などの小品、茶杓は海田曲巷作差込・茶筅筒南鐐・茶巾筒・赤絵扇面

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薄茶席は、小堀宗中筆「碪」と題した「玉川の詩」松風の 音だに秋は淋しきに 衣うつなり 玉川の里 千戴和歌集より 美しい定歌様で認められた揮毫です。古くから詩歌に詠まれた景勝地で全国に6ヶ所玉川と名のつく場所があるそうです。この碪に詠まれた場所は、三島玉川ではないかと思われます。それは、別名砧玉川と呼ばれていたからです。「碪」は「打つ木」「うつぎ」の花と音が続き「卯の花」に繋がっているようです。今日もふつつかな点前ながら懸命にさせて貰ったこと幸せに思いました。もう一度茶事を愉しみ、稽古日も終え15日に帰ります。いつも遠路のお出ましに感謝しています。

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江戸時代の型染めは米の収穫を表した浅黄色の扇面の茶筥にぴったり収まっています。中の小品も愛らしいひと揃えとなっています。茶筥の収納品は、出会いにより入れ替えて愉しんでいます。もう少し歳をとれば、茶筥だけ持ちシンプルに暮したいなどと考えています。

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by kuyugengen | 2010-10-07 10:09 | 茶事

“卯”は茆(しげる)の語源なので、この年は、陽気も盛んになり、地上の万物がみな茂る時期です。みずみずしい緑で地上がおおわれて明るくなり、春がきたことを感じる運気でもあるようです。
                    亀甲唐花二人兎紋紹紦 (A1)
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花亀甲の枠の中に仲の良い2人兎を配し、吉祥紋(宝尽し)で、古典的な意匠が完成しました。私の好んで用いる淡い色調の中にも品格のある作品であるようにとこれら3色の色合いを揃えました。                (A2)
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平安時代に流行した暈繝彩色(うんげんさいしき)現代でいう“ぼかし技法”を意識して横縞の色の中に“ぼかし”多色の色のグラデーションを意識した作品です。

                  暈繝(うんげん)石畳爪兎紋紹紦 (B1)
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石畳の枠の中からさらに爪の文様を施し、可愛らしい兎がいろいろのポーズで遊んでいます。横の縞模様も虹のように又シルエットのようにと表現して今回は一段と凝ってみました。
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今朝近所へ買い物に出かけました。後ろの方から可愛らしい会話が聞こえてきます。「お母さん・・・もう秋がきたョ!」振り向くと眼鏡をかけた可愛らしい少年です。そして一緒に信号を渡りました。私も「ほんとだね!」とつい声をかけたくなる衝動を押さえました。明日は金沢への移動日です。一年の過ぎ行く年つきは早く、巳年の帛紗の意匠を手がけてから、早ラストの時期も近づいてきました。小さいアトリエから生まれた小さなオリジナル作品ですが、皆様との良縁に恵まれて、私も平常心で作れたことに感謝します。

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新しい年が変り次の年が来ると干支の図案のことが脳裏をかすめます。そして西陣から「今年の構想はデキテマシタカ・・・・?」と何気に催促され「はい」と答えるやいな毎月サンプルが織り上がり「長い駄目だしの期間へと移ります。」そして夏の頃になると、ほぼお互い歩みより完成に至ります。今の時期は、ちょっと兎から開放されて一番気楽な時です。心配なのは、完売できるか?どうかです。今年は種類が多いだけに、少し心配もあるものの、しかしどれも平均に嫁に行ってもらいたいと願っています。12月も終盤になると、帯・バックなどの加工にも依頼するので、お陰さまで良縁のようです!最後になりましたが、織りの型を創る前のPC原画も少し紹介しました。                                                                                                 
                      
                       
                        
by kuyugengen | 2010-10-01 18:07 | アトリエの製作品