永井百合子が提案する・・・遊びや茶事の愉しみ


by kuyugengen

<   2009年 10月 ( 11 )   > この月の画像一覧


今日は世田谷の稽古も最終日となりました。今月から干支の帛紗の販売も重なり、忙しく感じたひと月でした。今月も“無事”に終えることができホッとしています。そして歳をとったナと実感します。話題は移り、今日稽古にみえた方の指先に珍しい「アイロン当てを見つけました。この方は文化服装学院の先生をしていらっしゃるので、さすがに的を得た小道具などを思いつかれているようです。ほんとうに可愛らしいグッズですね!

d0133199_14485212.gif

ちなみに私は素手のままです。妙に皮膚が厚いのでしょうか?鈍感なのでしょうか?この方は“白魚のような指”ですね!羨ましいヮ
d0133199_1449691.gif

                      明日から金沢で頑張りまーす!
by kuyugengen | 2009-10-31 14:49 | よもやま雑宝帳 | Comments(0)

古布の新しい装い


金沢で出合った時代切れ細絽(こまろ)この紋付を4月のブログでは着物の状態で紹介しました。その着物の裾の刺繍部分を繋ぎ中央に集めて1枚の絵のように表具加工する。そして二枚折の屏風として新しく生まれ変わりました。表具は現在ご活躍中の麻植生素子先生の作品です。幕末に作られたであろう初夏着用のこの紋付は、前田家ゆかりの大きな紋が染め抜かれていました。着物の図案も、めでたい四季の吉祥絵巻が画面いっぱいに語られています。完成した屏風は良縁あって私の友人宅へと嫁入りしました。そして所を得た茶の間は清楚な花が咲いたように華やいでいました。
d0133199_20593039.gif

いかにも平穏でゆったりとした雰囲気の文様を眺めていると竜宮に居るような気分です。琵琶・琴などの鳴り物も丁重な刺繍が施されているので、身分の高い人の装いであったことが偲ばれます。古人の音楽もかすかに聞こえるように感じます。
d0133199_20594492.gif

裾模様・衽の部分を集めて、美しい浅葱色の画面を繻珍の額縁が囲んでいます。上段に梅鉢の紋を2個配置しました。図柄全体の印象は、物語に強いインパクトはないものの、落ち着いた品の良い屏風として、新しい息吹を吹き込んだように感じます。
d0133199_2059583.gif

浅葱色の着物は都ならではのしゃれた色合いの衣装です。地方都市では身に纏う機会のない色といえるでしょう!さすが百万石の身分ある方の間には、このようなしゃれた色が取り入れられていたことが理解できます。金沢で見る能衣装などにも高度な技術の作品が多くいつも驚いています。
by kuyugengen | 2009-10-23 21:00 | よもやま雑宝帳 | Comments(0)

心に沁みるお便り


帰京した日は、郵便物の整理など忙しいです。その一通に、このようなお便りが届いていました。この方は私より3まわりも年上の「子」いつも彼女は「3まわりも歳上なんて嫌になるヮ!」と苦笑していらっしゃいました。美しい継ぎ紙の葉書の中に、このような文が書いてありました。秋雨前で肌寒い日となりました。連絡有難うございました。十月の稽古日は25日(日)にお願いします。さて体調も考え人生最終章への準備もしなければならない年となりましたので幕を下ろそうかと考えております。先生とお別れするのが惜しくて中々ふんぎりがつきませんでしたが、寒くなると又足も痛みだし、稽古がお休みがちになり、ご迷惑かけるのも心苦しいので、踏み切った次第です。長いことありがとうございました。いろいろ美しいものに触れさせていただきました。又お会いする日にお話いたします。と涙なくしては読めないお便りでした。私の年齢でさえ明日があるか不安です。その1日の為に全力投球する心境になっています。まして彼女の心境は痛いほど解り胸が熱くなりました。「会うは別れのはじめ」と昔からいいますが、しかし年の差はあるとはいえ、もう20年以上のお付き合いです!お年は召していてもあまり休まれる事もなく、「いつも私の顔を見るだけでもいいの」と昼食時は、風流な“雛さん道具”のようなお弁当の色どりが良かったこと!先日のお彼岸に、この方と同期であったT夫人の墓参りに行きましたが、千の風のメロディのように「叔母ちゃんはお留守のように感じました」そして元気であった頃の思い出話をしながらその時も生・死の不可思議を感じたものです。私自身いつまで元気に仕事ができるか解りません。やはり人の本当の心境はその年齢に達しなくては理解できないものです。また元気で話ましょう!そしてまた一つの私の時代が終わったような淋しさを感じました。いつもひょうひょうとしておられたこの方には「優秀賞」を差し上げたいと思っています。
 
d0133199_21445376.gif
長い間私を見守って戴き嬉しく思いました。私も趣味の良い貴女にいつもときめいていましたよ!                   感謝
by kuyugengen | 2009-10-13 21:45 | よもやま雑宝帳 | Comments(0)

金沢の休日


今日は久しぶりの休日です。朝一番に鍼灸院へ行き、帰る途中 広阪あたりをブラブラしました。朝・夜のストレッチと自転車のお蔭なのでしょうか?足・腰の調子は良好でちょっと笑顔になります!しかしダメージを受けた時の痛みは忘れられず、日々注意深く行動しています。金沢は車社会なので自転車の道はなく歩道を走るのは肩身の狭いものです。ベルを鳴らす私に歩行者は迷惑そうです!今日は台風の後の日本晴れ金沢を通った台風は思った程ではなく通常の雨模様でした。クラフト館の店内で「雑誌金沢」の編集長さんと久しぶりに対面、ちょっと立話などして、さっそうと自転車スタイルを一枚“おねだり”して撮って戴きました。 お恥ずかしい!

d0133199_18215037.jpg

by kuyugengen | 2009-10-09 13:10 | よもやま話 | Comments(0)
           
 游・更紗寅小花文様  ピンク色
毎年恒例となりました、干支の帛紗用の織物もできあがりました。来年の干支「寅」は難しい課題でした。「寅」の文字は(えん・のびる)の語源からきています。

d0133199_11433020.jpg

            游・更紗寅小花文様  グリーン色
寅歳は、土中の種子が真っ直ぐに芽を伸ばし、地面に勢いよく芽をだす段階を表わしています。

d0133199_11442916.jpg

            游・更紗寅小花文様  ベージュ色 (金入り)
季節で例えるなら春・月で例えるなら旧暦1月 時刻にあてはめるなら午後4時で寅の刻に茶の湯では新年の若水を汲む刻限です。方向は東北東を示します。

d0133199_11481657.jpg

            游・更紗寅小花文様   薄水色
寅はその力強いイメージからも洋の東西を問わず邪気を祓い「勇気」を象徴しています。そうした意味からも国の命運も少しづつ良い兆しがでてくるのではないでしょうか?そのように祈りたいものです!
d0133199_11502042.jpg

紹巴の織物をベースに干支の寅を配し、その周辺に手鞠のように更紗小花を意匠した文様です。更紗文様のベンガル虎は、愛嬌のある文様ですが、図案の小さい枠内での意匠配置は難しく更紗の雰囲気を表わし織るまでの紋型つくりに苦心した作品です。色はピンク・グリーン・ベイジュ(金入り)・薄水色の4色でき上がりました。今年も変りませずよろしくお願い申し上げます。

d0133199_12115176.jpg
d0133199_121317100.jpg
d0133199_12135830.jpg

上の4点は紋型になる前の絵を紹介しました。春から「寅」の文様を決めて、紋型を委託して、秋までの期間、少しづつの寸法で試し織りを繰り返します。今年は織り元には無理を云いました。私はもうすぐ「寅歳」から、しばし開放されようとしています。
by kuyugengen | 2009-10-07 18:03 | アトリエの製作品 | Comments(0)

風炉の時期を愉しんで



春がきて日一日と明るい光が長くなり、炉の点前にようやく慣れたと思った頃、五月からは風炉の時期を迎えます。最初は体も戸惑いますが、月々の演出を考える道具組みは、何て愉しいでしょう!などとしみじみと幸せを感じています。私は毎月茶事を行うので下手ながらも演出を実践する機会に恵まれています。茶の点前・客のマナーも稽古と同じで回数と経験です。お互い肩に力が入らず互いに良い雰囲気をかもしだせるようになるのは、経験と回数を重ねることでしょう!お茶の亭主とは、確かに精神を鍛える深い学びがあると実感しています。そしていつも書き綴る私の反省帳も増えるばかりになっています。まだまだ充分自分の茶を気に入ったようにできませんが、金沢で茶事をするようになって、満三年になりました。風炉の時期は懐石を立礼席で行なったり、薄茶を月変りの茶筥・茶籠で行なったことは自分自身のお茶の表現であったように感じます。来月は開炉が改まります。寒い時期は、本席へと移り季節感を感じるのが一番のご馳走です。体力・気力のバランスを整えて、もう少し自分のお茶を追及してみたいと考えています。

d0133199_7143922.jpg

by kuyugengen | 2009-10-07 07:22 | よもやま雑宝帳 | Comments(0)

重陽のお菓子


重陽のお菓子は水本さんの「きせ綿」です。美しいお細工菓子ですね!重陽は、新暦でも旧暦でも陽の数の一番大きな「九」が重なる日のことです。その頃になると菊の花も咲き揃い菊の節句となります。私の薄茶席も「九游」と名付けて数の神秘にあやかっています。

d0133199_21345819.jpg

by kuyugengen | 2009-10-06 21:33 | お菓子 | Comments(0)

重陽の茶事のおもてなし


強肴は能登産の松茸・壬生菜・菊花の和え物とご馳走です。鉢は平戸伊万里大胆な菊模様は豪快です。孝明天皇の下賜なので外側には、お印の文様が施されていて菊月には嬉しい小鉢で重宝です。

d0133199_18153178.jpg

焼物はのど黒の幽庵焼きに山形産の食用「ほうずき」をあしらいました。このほうずきは黄色くて何処かフルーティトマトのような味が口いっぱいに香が広がります。不思議なほうずきですね!

d0133199_18374113.jpg

“焼物で一献”も楽しいぐん呑みのひと揃いです。旦入赤楽・古唐津・小林東五・加藤静允作などです。お預けは吉田明作の可愛らしい徳利です。お酒は金沢福光屋さんの“冷おろし”美味しいお酒でした。

d0133199_18285753.jpg

お祝儀酒には菊酒を用意しました。本来中国河南省に流れる、白河の支流の崖の上に咲いた菊の花の露が川の水に混じり甘美に感じて、その水を飲んだ人は長寿であったことから、菊の水・菊酒などと珍重されました。謡曲などにもよくそのお話は登場します。

d0133199_20575299.jpg

八寸は重陽を祝い藪の内流の三種盛です。「焼き松茸・車海老・銀杏の松葉打ち」と、ちょっと張り込みました。
d0133199_18293690.jpg

本席の床の設えは、大輪の糸菊にきせ綿をしました。花入は漢・緑釉銀化した風情も嬉しく寸法も良く合うように感じました。菊の花には、薬効もあるということから、きせ綿の風習がお茶の世界に残されています。重陽の前夜菊の花に真綿をきせて夜露、朝露にうたせて しっとりした綿に菊の香を移す。その綿で体を拭くと若やぐという、古代のオーディコロンのような役割のようです。軸は近衛豫楽院の和漢朗詠切れ「露」の詩三種です。

d0133199_1830288.jpg

本日は風炉の名残でもあり、「やつれの風炉」を使いました。今回の濃茶はインフルエンザの流行も考えて思い切って一福濃茶を練ってみました。数茶碗も良く使い込んだ馴染み深い茶碗です。お客さまも大喜びで、安心致しました。

d0133199_1830587.jpg

本席の茶入は耳付き古高取銘「白露」小堀権十郎の箱書きです。やつれ風炉八代寒雉・釜・松林地紋寒雉十二代私流の名残の表現はないかと、昨年から「もみ灰」を使っています。伊賀の土楽さんの労作です。使ってみると中々風情のよいものです。火も良くいこっています。水指・16世紀南蛮すだれベトナム沖でサルベージで引き揚げられた物です。長い年月海に沈んでいたものですから、塩抜きにも10年の歳月がかかりケアーされたと聞いています。縁あって私の手元に渡りましたので、よく働いてもらっています。なかなか茶器に使えるものがそこにあるとは限らず、陸にあがりその価値の配分が決まります。サルベージはギャンブルのような物、世界中の沈没船資料は現在完璧に把握されていますが費用も莫大なので勇気のいる仕事のようです。

d0133199_183469.jpg

薄茶席は秋の蒔絵でいっぱいな茶籠席です。可愛らしい茶碗に席中歓声が上がります!

d0133199_7575857.jpg

松ヶ枝不入の張り貫き黒筒・二代竹秋埜・加藤静允染付け・李朝硬手・越洲窯白磁など

d0133199_759243.jpg

今年も無事に重陽の節会を迎えることができ、みなさまに心より感謝しています。
by kuyugengen | 2009-10-06 18:20 | 茶事 | Comments(0)

曇り空です。雨には何とか待って頂き今月から秋の茶事スタートです。2ヶ月お休みしましので、気持ちが少し緊張しています。今日のテーマである重陽の慣わしは、中国の故事に由来していて古くは平安の時代に日本に伝えられました。宮中の行事として、菊の花は香気で邪気を祓う霊力があると信じられて現在でも宮中の行事に残っています。菊の節句には、宮中紫宸殿の左右の御帳にも、端午に掛けられた薬玉から「ぐみ袋」にかけかえられるようです。“菊の花も秋ぐみ”も九月の重陽にはまだ間に合わず旧暦の重陽に満開となり実も熟してきます。今年の重陽節は10月26日のようです。不思議なことに暦は季節に正しく、本日使いたかった山形産の「もってのほか」という色出しの良い食用菊もまだ10日早かったので手に入りませんでした。ハウス栽培のものは色だしがうまくいかず身をもって時期の在り難さを体験したものです。

d0133199_7523669.jpg

御所の御帳の左右に掛けられる「ぐみ袋」は本来雲上流の造り花で古より伝わる高価なものです。私は自然に咲いた菊と秋ぐみを用意し袋を作り待合の床に飾り、お客さまのご長寿をお祝い致しました。
by kuyugengen | 2009-10-06 07:50 | 茶事 | Comments(0)

今月のお菓子


今日は中秋の名月 金沢も良い天気です。今日は水本さんとお菓子の相談をして「くり鹿の子」と銘したお菓子をお願いしました。栗と小豆の上品にまとめてあるお菓子です。王朝人は月を眺めて集い詩歌を詠んだと伝わっています。今日は私も十五夜のお月さまを眺めることといたしましょう・・・・!

d0133199_1344639.jpg

by kuyugengen | 2009-10-03 13:04 | お菓子 | Comments(0)