永井百合子が提案する・・・遊びや茶事の愉しみ


by kuyugengen

カテゴリ:よもやま雑宝帳( 249 )

5月出光美術館へ

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爽やかな日です。午後から出光美術館へ「六古窯」の大展示を拝見に行きました。和の焼物のお手本である中世期の瀬戸・常滑(とこなめ)・越前・丹波・備前・信楽を「六古窯」と呼び、優品揃い展覧会です。その他伊賀・珠洲もあり、本歌である中国陶磁も観ることができます。古い時代の和の陶器は流石に本物か見間違う巧みの技があり大らかさが感じられる。これから時間を掛けて絵を描いてみようと思いますが、描けるかどうか解りません。



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皇居の若葉青葉を眺めながらの朝夕庵の設えは、いつもながら感動のお道具組です。仙厓の軸・竹の画賛も清々しく花入青磁・香合推朱・硯は季節の八つ橋蒔絵をはんなりと、釜弥五郎・車軸・風炉四方・浄益・風炉先屏風・了々齊好み乱桐透かし彫り・利斎・水指・古九谷・茶入瀬戸肩衝・銘(かがり)()・茶垸・黒楽・慶入・茶杓・覚々斎共筒・銘・撫子・建水・砂張・蓋置き・黒田正玄と隙のない緩急のある快い組み合わせ、流石お蔵の深さを感じさせられます。

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焼締めの肌は素材の土の色、窯の中で焼成される時の炎の熱を受けて現れる緋色自然釉の流れる釉薬の表情に特徴があります。私は色絵の作品よりこうした自然釉の陶器が好きです。唐物に影響を受けながらも独自性を求めた和物陶器は瀬戸や備前を除けば共通点が多い。見分けも解らない作品も多い。古の陶工の力強さは時代を経てもかなわない新しさを感じるものです。


          

 ♪世の中に巧みのしごと多けれど 昔のひとに勝るものなし ♪          






by kuyugengen | 2019-05-15 14:59 | よもやま雑宝帳 | Comments(0)

心地良い風の話

薫風自南来殿閣生微涼(くんぷうみなみよりきたり、でんかくびりょうをしょうず初風炉の時期によく見る一行です。始めの2句は唐の皇帝・文宗・後の句は皇帝の臣下であった(りゅう)公権(こうけん)漢詩す。皇帝の立場では暑い夏の日でも広大な殿閣の中では涼しく、暑さなど覚えないでしょう。しかし民百姓はそうはいきません、暑さにあえぎながら家業に精ださなければなりません。そこで蘇東坡(そとうば)が皇帝たるものもっと天下万民の上に思いをいたすべき、と戒めの句を作ったという逸話があるようです。そうした話があるので本来、今の時期に使うより78月のお茶席に使う方が似合うように感じます。私は爽やかな5月は「精芳」と書かれた篆書体の細野燕台氏の横物を掛けています。

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ここで「細野燕台」氏のことを簡単に説明すると氏は、茶道や書画骨董にも通じた人で「金沢最後の文人」として名高い。魯山人の才能を最初に認めた人物としても有名です。医王山に登り金沢の街を眺めた時、犀川と浅野川に挟まれ、その両翼に街が延びる姿が燕の飛ぶさまに似ていたことから中国の北京を「(えん)(きょう)いわ「燕台」と呼ぶのになぞらえ「燕台と名乗ったと伝えられています。素封家であり、文人ならではである芳しい香りがいたします。


by kuyugengen | 2019-05-13 18:49 | よもやま雑宝帳 | Comments(0)

歌を詠むたのしみ

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歌を(したた)めるようになり、早や2年の春を迎えました。心の中に花鳥風月を愛でる余裕ができたのか?よく解りませんが自己流で感じたことを恥ずかしく思いながらも公開しています。今の所先生がないので度胸のいる行為です。しかしとても楽しい!一年前の歌を振り返り読んでみると、その時の情景が瞼に浮かび老女の楽しみとなる。今年は、桜たよりから満開まで時間も長かったが満開を観にいく時間が取れなかったので気が気ではなかった。元気そうに見えても来年に保証はないので、会えた桜をゆっくり楽しみました。春から初夏にかけて近場の花とはいえ時期を追いかけるのは体力がいるものです。歌を詠む趣味ができてとても幸せに思っています



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by kuyugengen | 2019-04-06 18:50 | よもやま雑宝帳 | Comments(0)
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3月は新年号の話題でマスコミは賑やかでした。「新元号が決まるまでは、“のどけからまし”と心が何処か騒がしかった。天皇一代で元号一つを定める。「一世一元」制。今年は一代限りの譲位を可能として新元号が「令和」と決まった。珍しく万葉集からの出典で明日への希望と共に大きな花を咲かせてほしいとの談話が述べられた。昭和の御代は更に遠くなった心地がいたします。私も少し干渉に浸りながら金沢の家での思い出の梅と鶯の短歌を詠んでみました。



 ♪うめの花咲きて散りなば鶯の 笹鳴くこゑに目覚めくるかな♪



by kuyugengen | 2019-04-01 20:15 | よもやま雑宝帳 | Comments(0)

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今日は暖かい青空の日です。嫁の知比路ちゃんが実家のお手伝いの為に上京の日が来ました。毎月少しですが東京観光を試みるが“トンチンカン”な方向音痴。今日は私の手料理を食べて午後から旧前田侯爵邸の洋館への見学に行きました。加賀百万石の前田家の屋敷だったもので洋館、和館ともに(平成25)年に国の重要文化財へ指定されている建築です。当時は約1万坪の敷地に使用人100人という大規模な生活だったようです。前田家の場合は和館については普段生活の場としては使わず、お茶会など特別な行事の際に使用したそうです。現在は洋館部分を東京都が買収して侯爵家の華麗な暮らしぶりを偲び公開。外国からの賓客を招く為に日本文化を伝える目的で建設されました。イギリス後期のゴシック様式の流れを引くチューダー様式で建設されているとのこと。華族の優雅な生活様式を学びました。そんな訳で一度は見ておきたい建築物、修復も完了した建物見学は無料です。説明のガイドさんも居られて素晴らしいサービスでした。


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本来和館の見学もしたかったですが、ちょっと足が疲れているので、欲張らないようにして帰宅しました。楽しみは後に残すのも懸命な考え方ですね。



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古を住まうよすがや華麗なる 木漏れ日揺れる園生(そのう)けき


by kuyugengen | 2019-03-13 19:42 | よもやま雑宝帳 | Comments(0)

お水取りの籠松明

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♪お水取り夜空をこがすお松明 落ちる火の粉に厄をはらいて♪




東大寺さんの修二会の行事もいよいよクライマックスの日を迎える。しかし今年のお水取りは、珍しく温暖な行となっています。私が参加した年もこのような温暖な年でした。童子が階段を駆け上る横の場所だったので、炎の凄まじい迫力は未だに思い出されます。そしてあくる朝、黒く焼け焦げたお松明の欠片を拾い大切に持ち帰りお守りとしました。様々な消防の待機や始まる前の欄干の水かけは万全であるにしても、8世紀から今日まで延々と無事に火祭りが行われるのは、まこと神仏のお蔭さまであろうと感じる。たくさんの日本の祭りがある中、厄を祓いお守りを拠り所にする風習が多いのは、人の心に、いかに不安が多いということなのでしょう。



by kuyugengen | 2019-03-13 03:54 | よもやま雑宝帳 | Comments(0)
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今朝は大きな喜びが伝えられた朝です。「はやぶさ2」は、小惑星「イトカワ」からサンプルを持ち帰り世界を沸かせた小惑星で「はやぶさ」の後継機です。6年間に宇宙空間の旅を続け、リュウグウへの到着。小惑星がリュウグウから地球へサンプルを持ち帰ることが今回の大きなミッションのようです。これからも多彩な成果をあげることが期待されています。玉手箱の中には、どのようなお宝が入っているのでしょうね!


   ♪大いなる宇宙の夢に近づきて「はやぶさ2」リュウグウに着けり


by kuyugengen | 2019-02-22 09:05 | よもやま雑宝帳 | Comments(0)

闇梅の話題

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今日のおやつの時間は高尚な話題に花が咲きました。暗香浮動月黄昏 疎影横斜水静浅という有名な北宋の詩人林和(りんな)(せい)漢詩亜希乃先生の茶時期風流のうたの話題そうた。て煎茶会にご一緒に、ここでも林和(りんな)(せい)簡単意味説明ていようす。林和(りんな)(せい)西湖孤山にひっそり暮らし梅300株を植えそれを妻とし鶴を子としたという俗世を離れて暮らしたという仙人。この詩は自分の庭園を愛し山園と称してつくった漢詩が今も茶人に喜ばれています。しかし仙人生活など現代人には理解しにくいもの。体感することもできないことです。私も今日の短歌のお題として現代風に闇梅の歌を詠んでみました。

月まちの闇にほんのり梅の花 百花にさきがけ花ひらくとは



by kuyugengen | 2019-02-20 21:20 | よもやま雑宝帳 | Comments(0)

徐日立春

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今日は新年を迎えない内に春が来る。暦の上では旧元旦より1日早く立春がくるということ。年内立春とか徐日立春・冬の春などと呼ばれる日です。古語には、そうしたゆかしい言葉がある。月の満ち欠けにはズレがあるので歳時記は面白いものです。2年に一度起きる現象なので、これは楽しむ他ありません。今日の短歌のお題にと1首詠んでみました。

♪この年は去年と呼ぶか今年とや 春はきにけり年の内に♪



by kuyugengen | 2019-02-04 21:05 | よもやま雑宝帳 | Comments(0)

紙椿のうつくしさ

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雨のない1月も終わり、ようやく僅かなお湿りの雨が降り嬉しく感じる今日です。2月になると東大寺さんではお水取りの用意が始まる。練行衆が集まり400個の紙椿の花拵えが始まる。タロの木を芯にして紅花に染められた椿の花びらが赤・白の芯に花芯に黄色と吉岡先生の植物染料で天平の紙花が完成する。それを椿の枝に取り付けられて観音さまの御前に飾られる。行事が終われば、それぞれの協力者に配布される。昔からの春を呼ぶ行事です。お松明の花入にこの“のりこぼし”と呼ぶ“良弁椿を模した紙花”を一枝飾るのは茶味もあり良い景色です。

春きたる御堂をかざる紙椿 修二会いろどる大和の言触れ



by kuyugengen | 2019-01-31 10:49 | よもやま雑宝帳 | Comments(0)