永井百合子が提案する・・・遊びや茶事の愉しみ


by kuyugengen

大名茶人・松平不昧

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日本橋の三井記念美術館の展覧会へ行きました。「大名茶人松平不昧」の没後200年の記念展覧会です。「天下の名物にして一人一家一国の宝にあらずと知るべし」という信念で収集した天下の名品「茶の湯は稲葉における朝露のごとく、枯野に咲ける撫子のようにありたい」と茶を生涯の友とされた大名茶人、遠州公の綺麗寂と同様大名ならではの審美眼は素晴らしい。毎回ですが心に残る名品を描ける範囲少し描いてみました。香合・原羊遊斎作(はら・ようゆうさい・狩野伊川院(かのういせいいん)下絵・香合の蒔絵キリギリスとかまきりでを描いてみました。いずれも不昧公のお抱え蒔絵師や絵師の共作。薩摩竹の水指初めて拝見した時は「世の中にはこのような大きな竹がある?」と驚いたものです。現在では「確かに暖かい國ではかぐや姫が収まる竹もあるのだから」と納得しています。不昧公もこの竹をご覧になった時の驚きは想像できるようです。島津公から贈られた竹と伝えられています。大井戸茶「喜左衛門」も以前拝見した時は、長く使われた形跡もなく老醜をおびていましたが、今回拝見した井戸は見違える程美しい肌合いで気持ちよいものでした。



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今月のアトリエの掛軸は不昧公茶の湯の五か条を掛けてみました。筆者は私が若かりし頃茶の湯のことを丁重に詳しくお教え頂いた師匠・紅雪庵主の筆です。茶の湯をするもにとって大切な心構えと教えて頂きました。現在の茶の湯の日常は、まねごとばかりが重要になっていて自分が表現できないのは寂しいことです。茶の湯尽くしの縫いを用いて表具を意匠した作品で思い出深いものです。

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茶の湯の五か条

一 茶の湯はいかにも綺麗にいさぎよく 寂たる中にも見所のあるを本とす。


二 時世の移り行きを不辧(わきまえず)一つのところに足をとめて移行を不知(しらざる)ものは、生涯 の下手と申すなり

三 先達の仕置きしことは、いずれの流にもかぎるべからず

四 茶道は点前を専一にして、意を次ぎにせよ

茶のものは意を専一にして点前を次ぎにせよ

茶道は下手にててもよし、数寄者は下手にてはせんなきこと也

五 点前は飯 をとりて飯を喰い、汁椀をとりて汁を吸い、箸をとりおきする如くなるを成就と申す也




by kuyugengen | 2018-05-12 17:22 | よもやま雑宝帳