永井百合子が提案する・・・遊びや茶事の愉しみ


by kuyugengen

日陰のかずら 考



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高松から東京へ気分転換を兼ねて茶の行事に参加される老夫人がおられます。お茶の追っかけを生きがいにされていて、いつも元気で明るく気さくなお人柄。今日は休みだったので、お茶でもしょうと電話をかけた。足も痛いというのに「日本橋三越にいまーす」と元気な声が聞こえる。さっそく会い世間話。その中で正月飾りの「日陰のかずら」の話題がでて、その方は山奥に入ってくれる知人があり、毎年数人に貴重な「日陰のかずら」を差し上げるという話を聞いた。この植物は、湿った日なたの傾斜地や崖に自生して岩に這いつくばって生えているそうです。余程の茶人でもない限り葛飾りはできない。花屋に頼んでも手間賃は計算できないので販売はしない。「それはそうでしょう!」と納得です。

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貰う人はそのご苦労も知らず貰うらしいが、「最近のお茶の先生は物知らずだから知識がない!」と話しは続く「私はいろんな会に出ているので、利口な話はたくさん聞いても人に会うのが嬉しくて、聞いた話は帰る時に玄関に置いて帰るんじゃ」と高松弁で話は続く。「こんな自分より知識がない先生が多いんじゃ」とおっしゃる。そうかもしれないと私も納得。家元の初釜なので拝見する葛は茎を正月飾りにする姿です。共に飾る卯槌は正月の卯の日に邪気を祓う意味で地面を叩くためにつくられたもの。梅・桃・柳の木桃の古材を用いるのは、桃の木は、邪気を祓う神木の意。その枝を錦の布で巻き、それを中心にして、日陰の蔓を長く重なるようにする。その回りに水引をかけて、ヤブコウジ・ウラジロ・ユズリハなどつけて意匠した宮中のしきたりから伝わったものです。日陰かずらのお陰で楽しい時間を過ごしました。
by kuyugengen | 2016-12-19 23:00 | よもやま雑宝帳 | Comments(0)